チョコを食べると歯が痛い!原因と対処法を解説

チョコレートを食べたとき、「ズキッ」「キーン」と歯が痛んだ経験はありませんか?甘いもので歯が痛む原因は「甘味痛(かんみつう)」と呼ばれ、虫歯の進行や歯の欠け、知覚過敏である可能性が高いです。
放置してしまうと、最悪の場合、神経を抜くような大きな治療が必要になることもあります。
本記事では、チョコで歯が痛む5つの原因や痛みが起こるメカニズム、対処法を解説します。
チョコを食べてズキッと痛む5つの原因
チョコレートや甘いものを食べたときに歯が痛む原因は主に5つあります。

①虫歯が進行して神経を刺激している
甘いもので歯が痛む原因として、まず疑われるのが虫歯です。
虫歯が進行すると、歯の表面を覆っている「エナメル質」という硬い層が溶かされ、その下にある「象牙質(ぞうげしつ)」がむき出しになります。象牙質には「象牙細管(ぞうげさいかん)」と呼ばれる細い管が無数に通っていて、刺激が歯の神経に伝わります。
チョコレートに含まれる糖分が溶けた唾液が、露出した象牙質に触れると、神経に刺激が届いてしまうのです。虫歯がエナメル質だけにとどまっている初期段階では痛みを感じにくいのですが、象牙質まで達すると、甘いものや冷たいものでしみるようになります。
②知覚過敏で歯が敏感になっている
虫歯じゃないのに、なぜか甘いものがしみるという方は、知覚過敏の可能性があります。
知覚過敏は、エナメル質が薄くなったり、歯ぐきが下がったりすることで象牙質が露出し、外からの刺激に敏感になってしまう状態です。冷たいものだけでなく、チョコレートのような甘いものでも痛みを感じることがあります。
③詰め物や被せ物の劣化・不具合
過去に治療した詰め物や被せ物が古くなると、歯との間に隙間ができることがあります。隙間から糖分を含んだ唾液が入り込むと、内部の象牙質に刺激が伝わり、痛みを感じます。
④歯に小さな亀裂やヒビが入っている
目に見えないほどの小さな亀裂やヒビが歯に入っていると、そこから甘いものの成分がしみ込み、痛みを引き起こすことがあります。
⑤歯の神経が炎症を起こしている
虫歯がさらに進行すると、歯の中心部にある「歯髄(しずい)」という神経や血管が集まった部分にまで細菌が到達し、炎症を起こすことがあります。これを「歯髄炎」といいます。
歯髄炎になると、甘いものを食べたときだけでなく、何もしていなくてもズキズキと痛むことがあります。
なぜ、チョコ(甘いもの)で痛くなるのか?
甘いもので歯が痛む現象は「甘味痛(かんみつう)」とも呼ばれ、主に2つのメカニズムが関係しています。
浸透圧の差による痛み
1つ目は浸透圧です。理科の授業で習った方もいるかもしれませんが、濃度の異なる液体が接すると、薄い方から濃い方へ水分が移動しようとします。
チョコレートを食べると、口の中で糖分が唾液に溶けて「砂糖水」のような状態になります。砂糖水は、象牙細管の中を満たしている髄液よりも濃度が高いため、髄液が砂糖水の方へ引っ張られるように移動します。
この液体の動きが、象牙細管の奥にある神経を刺激し、「キーン」「ピリッ」といった瞬間的な痛みとして感じられるのです。
虫歯菌が作る酸による痛み
2つ目のメカニズムは、口の中にいる虫歯菌が関係しています。虫歯菌は糖分をエサにして酸を作り出し、歯の表面を溶かしていきます。
甘いものを食べた後、口の中では虫歯菌が活発に酸を作り始めます。食後5分ほどで酸の濃度がピークに達し、約30分かけて唾液によって中和されていきます。すでに虫歯がある場合、酸が象牙質を刺激して、じわじわとした痛みを引き起こすことがあります。
甘いものによる痛みへの対策は?
ここでは、甘いものによる痛みを防ぐための対策について解説します。これらは痛みを一時的に和らげるものですが、根本的な治療にはなりません。症状が続く場合は、必ず歯科医院を受診してください。
知覚過敏用の歯磨き粉を使う
知覚過敏が原因の場合、「硝酸カリウム」や「乳酸アルミニウム」といった成分が含まれている知覚過敏用の歯磨き粉を使い続けましょう。
硝酸カリウムは歯の神経の過敏な反応を抑える働きがあり、乳酸アルミニウムは象牙細管の入り口をふさいで刺激を伝わりにくくする効果があります。

やさしいブラッシングを心がける
強い力でゴシゴシ磨くと、エナメル質を傷つけたり、歯ぐきを下げてしまったりする原因になります。
歯ブラシは毛先がやわらかめのものを選び、小刻みに動かして磨くのがポイントです。チョコレートやキャラメルは歯に付着しやすいので、食べた後は念入りにケアしましょう。
甘いものの食べ方を工夫する
チョコレートを完全に我慢する必要はありませんが、だらだらと時間をかけて食べるのは避けましょう。甘いものを口にするたびに虫歯菌が酸を作り始めます。
食べた後は水やお茶で口をすすいだり、できれば歯磨きをしたりして、糖分が口の中に長時間残らないようにしましょう。
刺激を避けて様子を見る
痛みがあるときは、冷たいものや熱いもの、極端に甘いものなど、刺激になるものはしばらく控えてみてください。
どうしても痛みがつらいときは、市販の鎮痛剤で一時的に痛みを抑えることもできます。ただし、症状が3日以上続いたり、痛みがどんどん強くなったりする場合は、我慢せずに歯科医院に相談しましょう。
まとめ
チョコレートなどの甘いもので歯が痛む原因は、虫歯の進行だけでなく、知覚過敏や歯のヒビ、詰め物の劣化などがあります。
特に浸透圧の影響で神経が刺激されると、キーンとした強い痛みを感じやすくなります。知覚過敏用の歯磨き粉やブラッシング方法の見直しで緩和されることもありますが、これらはあくまで一時的な対処に過ぎません。
もし「何もしなくてもズキズキする」「痛みが数日続く」といった場合は、内部で炎症が起きている可能性が高いです。早めに受診することをおすすめします。
